球磨酪農育成牧場
熊本県 球磨郡 育成牛:400頭 取材日:2023年9月28日
預託牧場の飼料と献身
記者「預託牧場というと人の牛を預かるという通常とは違うこだわりがありますよね!中でも飼料についてはどんなこだわりを持たれているのですか?」
淵田さん「私たちは栄養管理にとても力を入れており、「育成20」という森永の配合飼料を使用しています。これは主に離乳後の牛のためのものですね!妊娠後期の牛には「MD18」という別の配合飼料を与えています。また、地元の酪農家や牧草を余らせている農家から牧草を購入することで、必要な栄養を牛たちに与えていますよ!」 記者「タイミングに応じて使う配合飼料を変えているんですね!牛を預かる上での難しさなども教えてください!」 淵田さん「農家さんに納得していただきながら健康管理を進めていくと言うところが難しいと思います!異常がない状態の牛も、入牧してからストレスや病気に見舞われることがあります。そのため、定期的なワクチン接種や予防接種は欠かせませんね。ですがそれでも流産などの事故は避けられません。特に未経産牛は事故率が高いため、預けていただいている農家さんに対してリスクを認識してもらう必要があります。牛が集団で飼われる環境になるため、群れの中で弱っていくことも起きてしまいます。綿密な観察を行うことで早期発見できるようにしています。」 記者「日々の牛舎チェックがポイントになると言うことですね!健康状態は季節要因なども大きく関わりそうですね。」 淵田さん「季節に応じた対処も重要ですよ!夏は暑さからくるストレスが流産の原因となりやすく、冬には寒さが子牛の下痢や風邪の原因となります。そのため、適切な量の飼料を与えて、必要に応じた治療を行いながら、日々の管理を怠らないよう努めています。このような環境の中で種付けに最適な時期を見極め、細かく農家さんに情報共有しています。退牧前は獣医の鑑定を通じて健康状態を確認し、安全と健康を優先した上で農家さんに返すようにしています。」 農家の誇りと原動力 - 『牛が1番』という生き様
記者「淵田さんの座右の銘を教えてください。」
淵田さん「「牛が1番」ですかね。牛が私たちの仕事の中心なので!畑の仕事も大切ですが、健康な牛がいなければ始まらないんです。例えば、扇風機が壊れた時はほかの作業をしていても牛たちが暑さでストレスを感じないように真っ先に修理しました。農家さんの牧場にいく時にたまに思うんですけど、自家用車やトラクターにとてもお金をかけている人がいます。けれど、牛舎に行くとボロボロだったり、だいぶ古いバルクを使っている農家さんがいたりするんです。どこにお金をかけてもいいと思うんですが本当はそっちにお金をかけるべきなんじゃないかなと思いますね。そういう気持ちが後々健康な牛に繋がっていくと思うんです。」 記者「淵田さんの牛への愛が伝わってきます!淵田さんは牛が好きで畜産業界に入ったんですか?」 淵田さん「もともとは建設業にいたんです。ですが以前の会社が倒産しちゃって。そこで知人からたまたま声がかかって20歳の時に畜産業界に転職し、今に至ります。経験を積むうちに牛への愛情も深まっていきました!」 記者「全く異業種からの転職だったのですね!?スタッフの方はどうなんですか?」 淵田さん「今いるスタッフは、最短で1年、最長で3年の経験者ばかりです。最近は若いスタッフが多くなりましたが、それでも日々の観察を怠らず、健康な牛を育てています。私たちの仕事は常に観察が大切で、小さな変化にもすぐに気づけるよう教育しています。」 永田浩徳という名の指針
記者「淵田さんが尊敬している方はどなたですか?」
淵田さん「たくさんいますが一番は株式会社アドバンスの社長、永田浩徳さんですね。彼の経営する育成牧場は300頭規模で、社長の考え方や環境が素晴らしいんですよね!まず彼の牧場では、状態の悪い牛の預け入れは断っているそうです。そしてその農家に行って状態の悪い牛を作らないように酪農家の視点でアドバイスまでしてくれるそうです。」 記者「なるほど!酪農家の経験を踏まえたアドバイスまでされているんですね!他にもお聞かせください。」 淵田さん「牛舎もストレスや病気が少ない飼育環境になっています。うちも新しい牛舎を立てようと思っていて通気システムはアドバンスさんの牛舎を参考にさせてもらっているんですよ!それだけ学べることも多く、考え方や経営のやり方まで尊敬していますね!」 記者「ありがとうございました!」 アソード
アソードに含まれる酸化鉄が下痢や健康状態の改善をサポートするため愛用しているそうです。
Writer_Y.Eguchi
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