林田農場 林田和大
熊本県 阿蘇郡 肥育牛:100頭、親牛:70頭、子牛:30頭 取材日:2023年11月22日
自分のやりたいようにやる畜産の道
記者「林田農場さんの畜産において独自の方法や特徴について教えていただけますか?」
林田さん「実は、私たちは特に大きなこだわりを持っているわけではありません。「自分のやりたいようにやること」を大切にし、過度な制約を設けずに、牛たちが快適に過ごせる環境を提供しています。何か特定の方法にこだわるよりも、柔軟な対応を心がけています。この場合はこうした方がいい、ああした方がいいという方もいらっしゃいますが、私個人としては農業ってそういうものではないのではないかという考えを持っているんです。赤牛の肥育ではA5の肉を作るためにはと考えるのではなく、ただただ肉質よく美味しいと言ってもらえるような肉を作るという気持ちでやっているだけですかね。」 記者「最近、畜産業界で新しいトレンドや耳寄りな情報があるかと思いますが、林田農場で導入した新しい取り組みはありますか?」 林田さん「アソードを導入したことですかね。エサに撹拌機で混ぜて牛に与えています。牛が強くなっている印象があります。ミネラル補給として使っていますね。季節要因などもあるので一概には言えないのですが病気が減ってきているような気がしたので今後も使っていこうと思っている商品です。」 記者「畜産業界では季節の変化によって様々な問題が生じますが、林田農場ではそれにどのように対応していますか?」 林田さん「季節の変化に対しては、牛たちが快適に過ごせるように寒暖差を感じさせないように環境を整えています。例えば、冬にはヒーターを使って温度を調節することもあります。ただし、今年は比較的暖かかったので、その必要はあまりありませんでした。寒暖差への対応は難しいですが、常に牛たちの健康を最優先に考えています。」 自由を牧するしばられない心
記者「林田さんにとっての座右の銘や、特に好きな言葉について教えていただけますか?」
林田さん「私の座右の銘は「しばられない」ということですね。自分のやりたいことを追求し、自由に生きることに大きな価値を見出しています。人生を楽しみ、幸せを感じることができるよう、柔軟に物事に対応しています。」 記者「新規参入者に向けてアドバイスがあればお聞かせください。」 林田さん「新規で畜産業界に参入する方々には、他人の意見に振り回されず、自分の直感と経験を信じることが大切だと思います。人の話を聞くのも重要ですが、実際に手を動かし、自分で考え行動することが何よりも重要です。自分を信じ、自分の決断に基づいて行動することが大事です。」 女性の手で育む、畜産の未来
記者「未可子さん、ご主人の畜産業をどのようにサポートされていますか?」
未可子さん「私は主に牛舎の管理を担当しています。トラクター運転はできないので、畑仕事が忙しい時は牛舎の仕事が私の役割です。餌やりや病気の牛のケア、獣医さんとの対応などを行っています。実際、この仕事は肉体労働が多く大変ですが、慣れると楽しさも感じます。毎日牛の表情を見るのはとても楽しいですね。」 記者「女性として、畜産業に関わる中で特に感じることはありますか?」 未可子さん「最初は体力的にもきつかったですが、慣れました。女性としての視点で見ると、牛は私にとても懐きやすいですね。私が牛舎に来てから、牛たちがより大人しくなったと夫も言っています。私は毎日牛たちに声をかけ、触れ合うようにしています。これが牛たちにとっても良い影響を与えているのかもしれません。」 記者「新規で畜産業に参入する女性に対してアドバイスはありますか?」 未可子さん「新規で畜産業に参入する女性には、パートナーと一緒に始めることをお勧めします。特に女性が1人で新規就農するのは珍しいですし、周りにいないのが現状です。1人で始めるよりも、基盤があるところで始めた方が良いでしょう。特に今は、畜産業が厳しい時代ですから、しっかりと情報を集めて、可能なら放牧などを活用しながら始めることが大切じゃないでしょうか。また、精神力も必要です。男性でも新規就農は大変ですが、女性の場合は特に体力や機械操作などの面での配慮が必要です。他人のサポートや協力がなければ難しいと思います。」 アソード
以前から阿蘇の赤土のがいいと聞いており、いつか使ってみたいと思っていたそうです。
使っていると牛が強くなって病気をしづらくなったように感じると話されていました。
Writer_Y.Eguchi
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益田牧場 益田良則
熊本県 球磨郡 親牛:9頭、育成牛:2頭、子牛:7頭 取材日:2023年11月17日
自然と共生する育成術
記者「益田さんの牛の育て方について教えてください。特に子牛の段階から出荷までのプロセスについて知りたいです。」
益田さん「子牛は生まれてから3ヶ月間は特別に調合した人工乳を与えて育てます。20日から1ヶ月頃には濃厚飼料を食べ始め、これは牛の成長に不可欠な栄養を提供します。その後、9~10ヶ月間、一定の濃厚飼料と粗飼料を組み合わせ、牛たちの健康と成長を最適化しています。私たちはWCS、藁、イタリアンサイレージという3種類の飼料を緻密に計算された比率で給餌しており、これがうちの牧場の牛たちの絶品の肉質を生み出す秘訣なんです。」 記者「その濃厚飼料についてもう少し詳しく聞かせてください。出穂前と出穂後のWCSの嗜好性の違いや、他の特別な飼料についてのこだわりはありますか?」 益田さん「実は、私たちは出穂前のWCSを重視しています。出穂前の段階で収穫することで、牛が好む味わいと栄養バランスを最大限に引き出せるんです。濃厚飼料に関しては、一つの信頼できるメーカーの製品を使い続けています。これは牛の消化システムにとって安定した環境を保つためで、結果として高品質の肉が生産されるんですよ。」 記者「飲み水に関してはどのようにこだわっていますか?また、牛たちに与える水の種類に特別な配慮はありますか?」 益田さん「牛たちには井戸水を与えています。水道水のカルキは牛にとって好ましくないので、自然な井戸水が最適なんです。牛は水の質にそこまで敏感ではなく、必要に応じてどんな水でも飲む生き物ですが、清潔で新鮮な水を提供することで健康を維持しています。」 狩猟と牛育成の融合
記者「狩猟についても伺いたいのですが、いつから始められたんですか?また、その背景にはどのような理由がありますか?」
益田さん「狩猟は約8年前、49歳の時から始めました。この辺りでは獣害が問題になっており、自ら狩猟を学ぶ必要があったんです。イノシシや鹿を罠で捕まえる技術を習得し、地域の獣害対策に貢献しています。ハウス園芸で育てるメロンなども野生動物の被害を受けるので、狩猟は農業を守るためにも不可欠なんですよ。」 記者「獣害被害というと、主に作物への影響を思い浮かべますが、人間への襲撃など、他の形での被害も起きるのでしょうか?」 益田さん「この地域では、イノシシによる人間への襲撃は聞いたことがありませんね。しかし、野生動物は予測不能な行動をすることもあるため、常に警戒は必要です。熊本近辺の金峰山などではイノシシが結構いるんですよ。宇城のような地域では、みかん農家が獣害に対処するために罠を設置しています。地元の農家からの依頼で獣害対策を行う組織も増えてきているんです。特に鹿やイノシシは、新しく作られた草地に惹かれて食いに来るんですよ。イタリアンのサイレージを食べられることも多く、農作業にも影響を与えています。」 記者「狩猟を自己流で学ばれたとのことですが、その学習プロセスはどのようなものだったんですか?」 益田さん「狩猟を始めるにあたり、役場との話し合いや狩猟免許の試験について情報を得ました。免許取得後は、山に入ってイノシシや鹿の行動パターンを自分で学んでいきました。最初の年は鹿を2、3頭捕まえた程度でしたが、年々捕獲数は増えてきています。獣害は減らない一方で、狩猟を行う人は少なくなっています。里山ではエサが豊富で、動物の子育ての成功率も高いため、野生動物の数は増え続けています。親の栄養状態が良いと、特にイノシシはかなり大きくなり、3年で60kgから70kgにも成長するんですよ。」 守り抜く土地:狩猟農家の物語
記者「狩猟免許を取得する過程で、座学のようなものはあったのでしょうか?どのように勉強されましたか?」
益田さん「はい、狩猟免許取得のためには座学が必要です。年に5回、阿蘇や宇城、天草、県庁などで講習が行われます。講習後には試験があり、選択問題に答えて合格すれば、狩猟免許を取得できます。ただし、免許を持っていても、実際に罠をかけるためには猟友会への加入が必要です。猟友会には年間24,000円の費用がかかり、これにはハンター保険も含まれています。保険は、万が一人に怪我をさせた場合の保証などをカバーしています。」 記者「罠に関してはどのような制限があるのでしょうか?また、得意な罠の仕掛けはありますか?」 益田さん「狩猟においては、1人で設置できる罠の数に制限があります。最大で30個までと決められていて、これにはくくり罠や箱罠が含まれます。私の得意な罠はくくり罠ですね。ただし、くくり罠で動物を吊り上げるのは禁止されています。これは動物愛護の観点から残酷とされているためで、罠にかかった動物はその場で走り回る程度です。自然と向き合う狩猟は、生と死が隣り合わせの世界です。」 記者「益田さんの座右の銘を教えていただけますか?」 益田さん「私の座右の銘は「農地を守る」ですね。私たちの仕事は、牛を守ることだけでなく、農地を守ることも含まれています。狩猟によって野生動物による獣害を減らすことは、この座右の銘にも深く関係しています。農地を守ることは、私たちの暮らしや食文化を守ることにも繋がるのです。」 ウルカル
化石サンゴを主原料とした「ウルカル」。
カビ毒によるゲリが多かった際に使用して徐々に改善していったそうです。
Writer_Y.Eguchi
新堀牧場 新堀文夫
熊本県 球磨郡 親牛:8頭、子牛:7頭 取材日:2023年11月16日
受精卵移植と緻密な飼料管理
記者「受精卵移植の導入はいつから始められたのですか?」
新堀さん「受精卵移植は令和4年の夏から始めました。技術の進歩は目覚ましく、今年に入ってから1頭の子牛が誕生しました。8月10日現在、その子牛は見事に成長しています。この技術は少し難しい部分もありましたが、全国的に有名な種牛を用いていますから、成果は大変期待できます。」 記者「 畜産情報の主な情報源はどこにありますか?」 新堀さん「私たちの情報源としては、「養牛の友」や「北国からの和牛だより」といった専門誌を利用しています。これらの誌面には最新の畜産技術や事例が豊富に掲載されており、私たちの業務には欠かせない情報源となっています。」 記者「受精卵移植のプロセスについてもう少し詳しく教えていただけますか?」 新堀さん「もちろんです。受精卵移植は専門の獣医に依頼して行います。発情から1週間後に移植を実施し、黄体の状態が悪い場合は先に治療を行います。実は移植は、発情から6日目から8日目の間に行うのが私たちの独自の方法です。この細かい工夫が、高い成功率をもたらしています。」 記者「飼料の管理方法について、独自の工夫があると伺いましたが、その詳細を教えてください。」 新堀さん「飼料の管理には特に力を入れています。1頭1頭に合わせた濃厚飼料の与え方を実践しており、妊娠や月齢に応じて飼料を調整します。例えば、下痢をする牛にはビオスリーAを与えるなど、細かな注意を払っています。軟便時は迅速に獣医を呼びます。また、飼料の量はバケツや計量カップで正確に測り、牛の名前とグラム数を壁に記録することで、各牛の健康管理を徹底しています。この方法は約50年の歴史があり、以前は赤牛を扱っていた時代からの伝統です。」 50年の歴史を持つ畜産の記録
記者「 牛一頭一頭の成長記録をどのようにして把握しているのですか?」
新堀さん「各牛の成長状態を細かくメモすることで、その発育状態や月齢に応じた成長を把握しています。5か月までは体高、6か月以降は胸囲を測り、体重も定期的に確認。この細かい記録が、異常を早期に発見し治療に繋げる鍵となっています。10か月で120cmに達した牛もおり、300キロ以上を目指しています。これらの測定を50年間続けることで、顕著な成果を上げています。」 記者「 経済的な面での畜産業の課題はありますか?」 新堀さん「経済的な面では、最近ミルク代の高騰が大きな課題となっています。この影響で経営にも苦労している部分があります。ただ、問題のある牛に対しても最適なケアを施すことで、健康状態を保ち生産性を高める努力をしています。」 記者「特に優れた繁殖能力を持つ牛はいますか?」 新堀さん「実は、サキという牛が非常に優れた繁殖力を持っています。彼女は毎年子牛を産み、今年で8産目を迎える予定です。サキの子牛はその質の高さから高値で売れることが多く、彼女の貢献は計り知れません。」 記者「畜産業における観察力の重要性について教えてください。」 新堀さん「畜産業において、観察力は非常に重要です。日々の観察により、異常や病気の早期発見が可能になります。例えば、牛の食欲の変化や行動の変化など、些細なサインにも敏感である必要があります。この観察力によって早期治療に繋げ、牛たちの健康を守ることができるのです。」 牧場の黄金律 - 観察力と飼料管理の秘訣
記者「年間の牛の販売価格について、平均的な数字を教えていただけますか?」
新堀さん「今年1年間で見ると、私たちの牛は平均して約70万円で販売されています。特に5月と7月には、82万円で売れた例もあります。これは牛の体重が平均で350kgということもあり、質の高い牛を育てている結果だと自負しています。」 記者「牛を大きく育てる秘訣は何ですか?」 新堀さん「私たちの秘訣は、濃厚飼料を惜しまずにたっぷりと食べさせることです。しかし、経営的な圧迫を避けるために、飼料は無駄なく計量して与えています。1頭1頭の食べる量を観察し、体調や成長状態に応じて調整することで、最適な育成を実現しています。」 記者「牛の健康管理において特に気を付けていることは何ですか?」 新堀さん「牛の健康管理では、「観察力」が何よりも重要です。体調が悪い牛の餌は適宜減らし、回復傾向にあれば元に戻します。主な健康問題は下痢で、獣医と密に連携しながら対処しています。特に小さい子牛の下痢は見逃さないようにし、早期治療を心がけています。」 記者「飼料の管理において特に注意している点はありますか?」 新堀さん「飼料の管理では、無駄なく効率的に与えることに注力しています。1頭1頭の食べる量を正確に観察し、その牛の成長段階や健康状態に合わせて飼料量を調整しています。これにより、牛一頭一頭が健康的に成長し、経済的な効率も上げています。観察力を駆使して、最適な飼料管理を行っているのです。」 畜産用メジャー
50年以上使用しているこのメジャーで正確に牛の胸囲を測ります。
胸囲のサイズに応じて雄雌それぞれの目安体重が記載されているため、測定を通して牛の生育状況を把握し、市場までに目標体重に合わせていくのだそうです。
Writer_Y.Eguchi
井野牧場 井野昭満
熊本県 阿蘇市 親牛:15頭、子牛:8頭 取材日:2023年11月13日
緑の牧場、白い約束:畜産業の革新者
記者「最近、牛の飼育に関する新しい知識や改善方法について何か学んだことはありますか?」
井野さん「最近、私たちの牧場ではサンゴの粉を導入しました。以前は、カビの問題で乳の質が悪くなり、子牛が下痢に苦しんでいましたが、サンゴの粉を与え始めてから1年後、この問題が完全に解消されました。この粉はミルクに混ぜるだけで、子牛の健康を大きく改善してくれるんです。」 記者「一人での作業における限界とその対策について教えてください。」 井野さん「一人での作業には確かに限界があります。特に病気や死亡事故に気づくのが遅れることが課題です。親牛が子牛を踏んでしまう事故も発生しています。これらの問題への迅速な対応と予防策を考えることが、今後の大きな課題となっています。」 記者「新しい技術や商品に対する試用や実践の姿勢について詳しく教えてください。」 井野さん「私は新しい技術や商品に対して非常に積極的です。例えば、コーラルインターナショナルの製品を半信半疑で試してみたところ、子牛の健康状態が大きく改善しました。このような試みを通じて、牧場の運営をより効率的かつ効果的にする方法を常に模索しています。」 記者「畜産業での新しい試みを行う際、どのようにリスクを管理していますか?」 井野さん「新しい試みにはリスクが伴いますが、私はそのリスクを最小限に抑える方法を採用しています。新しい製品を導入する際は、半額で提供される期間を利用するなどして、経済的リスクを軽減します。これにより、畜産業における革新的なアプローチを取ることが可能になっています。」 革新的な畜産の展開
記者「もし牛と会話ができるようになったら、どのような話をしたいですか?」
井野さん「牛たちと直接会話できるなら、まずは食べ物に関する話をしたいですね。特に、彼らが十分に食べて健康に太ることの重要性について話したい。熊本の市場では300キロ以上の牛が高く評価されるので、その点を強調したいです。また、彼らの日々の感じていることや要望にも耳を傾けたいです。」 記者「井野さんの牧場の牛はとても人懐っこいですね。その理由は何ですか?」 井野さん「うちの牛たちは非常に人懐っこいです。これは、彼らに対する日々の愛情深いケアの結果だと思います。例えば、彼らが背中をこすりつけてきたときに、私が撫でてあげると、彼らはじっとしてくれます。このような愛情のやり取りが、彼らの人懐っこさに繋がっているのだと思います。」 記者「尊敬する方を教えてください。」 井野さん「私が尊敬しているのは甲斐照久さんです。甲斐さんは、畜産業における経営の才能が素晴らしい方です。彼は牧場経営はもちろんですが彼が率先して取り組む耕畜連携に特に感銘を受けました、水田を持つ米農家と堆肥として肥料を提供する畜産農家が連携しWCSを栽培し双方で収益を最適化していくということですね。このような革新的な取り組みと、そこに目をつける経営者としての嗅覚、そして何より家族を含む十分な労働力を活用した効率的な経営方法が、私が彼を尊敬する理由です。」 記者「耕畜連携のメリットについて詳しく教えてください。」 井野さん「大きく2つのメリットがあると思っています。1つ目は米農家に堆肥として肥料を提供することにより、堆肥の処分が容易になります。2つ目に運搬の労力が減少するため、効率的に畜産を行うことができるのです。」 牛への愛と好奇心、畜産家の80点育成術
記者「あなたの牛の育て方を自己評価するとしたら、何点になりますか?」
井野さん「私の牛の育て方は、自己評価で80点くらいです。完璧ではありませんが、一人でやっている限りにはなかなか良い方だと思います。しかし、一人での作業の限界もあり、特に病気の早期発見が遅れることや、稀に起こる死亡事故が20点分の不足分です。」 記者「牛の死亡事故が発生する主な原因は何ですか?」 井野さん「牛の死亡事故の原因はいくつかあります。一番多いのは下痢に気付くのが遅れて死亡する場合です。また、親牛が子牛を誤って踏んづけてしまう事故もあります。これらは不可抗力の部分もあるものの、もう一人助手がいれば避けられることもあります。」 記者「座右の銘や牛の育て方に影響を与えているものは何ですか?」 井野さん「私の牛の育て方に影響を与えているのは、好奇心です。新しい技術や方法に興味を持ち、それらを試すことで改善の機会を見出しています。例えば、コーラルインターナショナルの製品を導入したことで牛の健康が改善したのも、この好奇心からです。」 記者「畜産業において新しい商品の試用や実践に対するあなたの姿勢について教えてください。」 井野さん「新しい商品の試用に対しては、リスクを抑えつつ新しい試みを行う姿勢を持っています。効果が確認できるまで半額で提供するなどの方法を取り、経済的リスクを軽減しています。このような積極的かつ柔軟なアプローチが、畜産業における革新的な取り組みに繋がっています。」 ウルカル
カビ毒の影響で母乳を飲んだ子牛が下痢をすることが多く困っているときに出会ったのがコーラルインターナショナルの「ウルカル」でした。サンゴの粉を餌に混ぜて食べさせることで見る見るうちに子牛の下痢がなくなっていったそうです。
Writer_Y.Eguchi
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