井野牧場 井野昭満
熊本県 阿蘇市 親牛:15頭、子牛:8頭 取材日:2023年11月13日
緑の牧場、白い約束:畜産業の革新者
記者「最近、牛の飼育に関する新しい知識や改善方法について何か学んだことはありますか?」
井野さん「最近、私たちの牧場ではサンゴの粉を導入しました。以前は、カビの問題で乳の質が悪くなり、子牛が下痢に苦しんでいましたが、サンゴの粉を与え始めてから1年後、この問題が完全に解消されました。この粉はミルクに混ぜるだけで、子牛の健康を大きく改善してくれるんです。」 記者「一人での作業における限界とその対策について教えてください。」 井野さん「一人での作業には確かに限界があります。特に病気や死亡事故に気づくのが遅れることが課題です。親牛が子牛を踏んでしまう事故も発生しています。これらの問題への迅速な対応と予防策を考えることが、今後の大きな課題となっています。」 記者「新しい技術や商品に対する試用や実践の姿勢について詳しく教えてください。」 井野さん「私は新しい技術や商品に対して非常に積極的です。例えば、コーラルインターナショナルの製品を半信半疑で試してみたところ、子牛の健康状態が大きく改善しました。このような試みを通じて、牧場の運営をより効率的かつ効果的にする方法を常に模索しています。」 記者「畜産業での新しい試みを行う際、どのようにリスクを管理していますか?」 井野さん「新しい試みにはリスクが伴いますが、私はそのリスクを最小限に抑える方法を採用しています。新しい製品を導入する際は、半額で提供される期間を利用するなどして、経済的リスクを軽減します。これにより、畜産業における革新的なアプローチを取ることが可能になっています。」 革新的な畜産の展開
記者「もし牛と会話ができるようになったら、どのような話をしたいですか?」
井野さん「牛たちと直接会話できるなら、まずは食べ物に関する話をしたいですね。特に、彼らが十分に食べて健康に太ることの重要性について話したい。熊本の市場では300キロ以上の牛が高く評価されるので、その点を強調したいです。また、彼らの日々の感じていることや要望にも耳を傾けたいです。」 記者「井野さんの牧場の牛はとても人懐っこいですね。その理由は何ですか?」 井野さん「うちの牛たちは非常に人懐っこいです。これは、彼らに対する日々の愛情深いケアの結果だと思います。例えば、彼らが背中をこすりつけてきたときに、私が撫でてあげると、彼らはじっとしてくれます。このような愛情のやり取りが、彼らの人懐っこさに繋がっているのだと思います。」 記者「尊敬する方を教えてください。」 井野さん「私が尊敬しているのは甲斐照久さんです。甲斐さんは、畜産業における経営の才能が素晴らしい方です。彼は牧場経営はもちろんですが彼が率先して取り組む耕畜連携に特に感銘を受けました、水田を持つ米農家と堆肥として肥料を提供する畜産農家が連携しWCSを栽培し双方で収益を最適化していくということですね。このような革新的な取り組みと、そこに目をつける経営者としての嗅覚、そして何より家族を含む十分な労働力を活用した効率的な経営方法が、私が彼を尊敬する理由です。」 記者「耕畜連携のメリットについて詳しく教えてください。」 井野さん「大きく2つのメリットがあると思っています。1つ目は米農家に堆肥として肥料を提供することにより、堆肥の処分が容易になります。2つ目に運搬の労力が減少するため、効率的に畜産を行うことができるのです。」 牛への愛と好奇心、畜産家の80点育成術
記者「あなたの牛の育て方を自己評価するとしたら、何点になりますか?」
井野さん「私の牛の育て方は、自己評価で80点くらいです。完璧ではありませんが、一人でやっている限りにはなかなか良い方だと思います。しかし、一人での作業の限界もあり、特に病気の早期発見が遅れることや、稀に起こる死亡事故が20点分の不足分です。」 記者「牛の死亡事故が発生する主な原因は何ですか?」 井野さん「牛の死亡事故の原因はいくつかあります。一番多いのは下痢に気付くのが遅れて死亡する場合です。また、親牛が子牛を誤って踏んづけてしまう事故もあります。これらは不可抗力の部分もあるものの、もう一人助手がいれば避けられることもあります。」 記者「座右の銘や牛の育て方に影響を与えているものは何ですか?」 井野さん「私の牛の育て方に影響を与えているのは、好奇心です。新しい技術や方法に興味を持ち、それらを試すことで改善の機会を見出しています。例えば、コーラルインターナショナルの製品を導入したことで牛の健康が改善したのも、この好奇心からです。」 記者「畜産業において新しい商品の試用や実践に対するあなたの姿勢について教えてください。」 井野さん「新しい商品の試用に対しては、リスクを抑えつつ新しい試みを行う姿勢を持っています。効果が確認できるまで半額で提供するなどの方法を取り、経済的リスクを軽減しています。このような積極的かつ柔軟なアプローチが、畜産業における革新的な取り組みに繋がっています。」 ウルカル
カビ毒の影響で母乳を飲んだ子牛が下痢をすることが多く困っているときに出会ったのがコーラルインターナショナルの「ウルカル」でした。サンゴの粉を餌に混ぜて食べさせることで見る見るうちに子牛の下痢がなくなっていったそうです。
Writer_Y.Eguchi
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