荒牧牧場
熊本県 阿蘇市 親牛:20頭、子牛:15頭、肥育牛:80頭 取材日:2023年8月21日
はじめに
畜産農家たちはどのようにして高品質な牛肉を生産しているのでしょうか?また、地元社会とどのように連携し、持続可能な地域経済を築いているのか?さらには、新しい知識やテクニックをどのようにして取り入れ、自分自身でその価値を評価しているのか?これらの疑問に答えるべく、今回は熊本県で受賞歴も豊富な荒牧さんの牧場に焦点を当て、その独自の哲学と成功の秘訣に迫ります。
栄誉と革新
ーー荒牧さんの牧場はあか牛の共進会で素晴らしい功績を上げられているとお聞きしましたがどのような賞を取られていますか?また工夫していることなども教えてください。
うちは熊本県のあか牛の共進会で金賞5回、銀賞2回受賞しています。熊本共進会での受賞は、私たちの長年の努力の証だと思っています。特に「バガス」の使用は大きな変化をもたらしてくれたと思っています。このさとうきび由来の餌は、牛たちの柔毛を強くし、健康状態を向上させる効果があります。ですので様々な栄養の吸収が促進されるんですね。「バガス」を使っている農家はあまり聞かないのですがうちでは重宝しています。自らが納得した方法を積極的に取り入れ、高品質な牛肉を生産することが、私たちの共進会での成功につながっています。受賞は、これらの努力が業界で認められた結果であり、今後も技術の向上と品質の維持に努めていこうと思います。 地元への愛情ー地産地消の考え方
ーー品質高く育てられた牛が消費者に届くまでのプロセスにおいて荒牧さんがこだわっていることなどありますか?
地元で売ることで県外のお客様に阿蘇のいいところを知ってもらえます。産地直送だから新鮮で、品質も落ちません。観光客の方々にも熊本のあか牛を食べていい思い出を作ってもらって帰ってもらいたいですね。これで地域ともっと繋がれるし、地元経済も活性化するんです。お客様も、どこでどう作られた肉なのか、はっきりわかるから安心して食べられるし、信頼もできるんですよ。それに、生産者としても、お客様がどう思ってるのか直接聞けるから、もっといい方向に進めるんです。みんなで地域を盛り上げて、業界全体も活気づけたいですね。 知識と納得
ーー荒牧さんが知識を収集する上で気をつけていることなどあれば教えてください。
知識を収集するということは、事業の成長と品質管理に欠かせないものです。私は上手な人で信用できる人に話を聞き、その情報を自分で納得するまで嚙み砕くことが重要だと考えています。相手はそれが正解だと思っていることが実は間違っていたということはよくあることです。素直に聞くことももちろん大事ですが、鵜呑みにしすぎず一度自分の中で噛み砕き、納得した上で取り入れることを私は心がけています。 編集後記
荒牧さんの地産地消の考え方やバガスの使用は確かに功績を上げる要素ですが、それだけではなく、絶え間ない学びと真実を追求し続けることが重要だと教えてくれました。荒牧さんが話す「上手な人で信用できる人に聞く」や「自分で納得するまで嚙み砕く」という考え方は、私たちがどんな分野であれ成功するために心がけるべき事柄だと思います。受賞歴だけが全てではなく、その背後にある思考と行動が本当の価値を形成しています。
バガス
さとうきびから、砂糖を作るためにショ糖を圧搾した残りの繊維の部分を「バガス」といい、柔毛を強くする効果があります。荒牧さんの牧場が共進会で功績を上げるきっかけとなったこだわりの商品なのだそうです。
Writer_T.Shimomuro
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